飛騨の一ノ宮地区では、江戸時代から地域の産物であったイチイとヒノキを使った笠が特産品として作られてきました。
現在高山市の無形文化財に指定されています。
最盛期には100軒あった生産農家も、現在では問坂義一氏ただ一人となり後継者の確保が急務とされるなか、平成28年から宮笠保存会がその制作技術の継承と普及活動をされています。
宮笠は、木でできている・・・と、いうことは!
雨が降ったら膨張して隙間が閉じて、日が照り乾燥すると隙間が空いて通気性良く快適なのだとか。
とっても実用的な生活の道具なんですね。
今回参加させていただいたのは、「飛騨高山ブランド講演会」
高山市では「飛騨高山ブランド」としてブランドコンセプトに合致する地場産品を認証し、飛騨の匠のDNAを受け継ぐものづくりのまちとして、飛騨高山のブランディングを進めることによって文化の継承・発展と経済の活性化を進めようとしています。(市HPより)
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宮笠に限らず後世に伝えたい飛騨高山の誇り!
(お土産選びに迷ったら、ここから選べば間違いない(≧∀≦)
問坂さんの実演です。
これが宮笠の材料となる笠ひでとよばれる薄い木のテープ。
白っぽい方がヒノキ、赤っぽいのがイチイです。
この笠ひでを作る過程の動画にまずは釘づけ!
なんと、一昼夜煮込んだ丸太をかつらむきのように薄くして、それを6mm幅に機械でカット!
配られた笠ひでをまじまじと手に取ります ...会場中がヒノキのいい香り。
そして今度は、それを編み込む問坂氏の手元に釘づけ!
3本飛ばしに互い違いに編んでいるのですが、数えてなんかいません。
おそらく手の感覚だけで、機械のような精巧さ!
これは蝉笠という種類。
蝉が3匹向かい合っているように見える、イチイの装飾がとても美しい笠ですね。
飛騨の地で採れた粘りの強いイチイがあるからこそ可能だという複雑なこの加工!
宮笠が後世に受け継がれるためにはその技術の伝承だけにとどまらず、飛騨の山が健全に育ち続けることこそ必要なのだと知りました。
高山では毎年、1月24日に本町通りと安川通りにて「二十四日市」が開催されています。
宮笠はもちろん、有道しゃくし、しょうけなど、農閑期に作られた工芸品や地元グルメが並び、多くの人で賑わう冬の風物詩。
作られた方と実際お話しもできる絶好のチャンスです。
地元の皆さんも、飛騨の良さを再発見しに出かけてみませんか?
※今年は規模を縮小し、1月22日~24日の3日間に分散しての開催が決定されたようです。
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